だから私は、彼らになるのです。



















誰かが彼女は気違いだと蔑んだ
彼女の少しばかりの人格者のせいかも知れない

彼女は鏡の中の、ただの自分にチェンジ、と声を掛ける。
着飾るも着飾らないもそこから。

それは彼女にとっての安定剤。
無意識に繰り返される自慰だった。


「そうよ、女の子にならなくちゃ!私にならなくちゃ!もっとキュートで可愛く!」

「はあ?フリルにリボンなんて馬鹿みてーな格好してっからなめられるんだ。黒黒黒!飾りも何も要らない!」

「私は飾り立てたいですわッ!化粧して着飾って!でなきゃ意味などないですわ!」

「きゃははははは!それこそ無意味だよ!着るものなんかで意味を問われちゃねえ…!きゃははははは!」

「俺もてきとーで良い。着飾るも着飾らないも。めんどくないならなんでも。意味を問うのも面倒臭い。」

「ある程度意味も必要だろ。意味と衣服は微妙に比例してる。でなきゃあたしらに固体差なんて生まれない。それよかあたしは花より団子!ドレスよりチョコレートパフェ!」「着飾んなきゃ…んで…飛ばなきゃ…」

「みんな…!やめてってばあ!」

「意味はあるわ!可愛くすれば心だって弾むもの!」「俺は意味を問うのがわからん!そんなものは後からついてくるもんだ!」

「だから無意味なんだよ!きゃははははは!!!」

「もう煩いですわっ!!!意味が欲しくて着飾っているのに!!!」

「意味って何?見つけてどうすんの。面倒臭い…」

「クロワッサン…!」

「飛ばなきゃー…」


「もうやめて!!!!
意見を押し付けあったって、かわらないよ…!」


「…何よ!アイだって意味が欲しい癖に!」

「そうですわ!あなたはいっつも偽善者で!」

「無意味だよねえ…アイ?剥ぎ取ったって変わりはしないのに…!きゃははははは!」

「有るのか無いのか、ボクにはわかんないけど…みんな違う意見を持ってるんだから…押し付けはよくないよ…」

「……。」

「…。」

「……。」

「あっははははははは!!!」

「きゃははははは!!!」

「…ふふふ…っ」

「押し付けえ?アイ、寝ぼけてんのかあ?」

「主張しなきゃ!でなきゃ壊れちゃうもの!」

「…俺はお前が嫌いだ…」

「はあ…面倒臭い子だね…全く…」

「違うから、押し付け合わなきゃ」

「虚路…」

「固体差を持つため、僕らが僕らであるため」


そこに意味がなくても、
それがただの行為だとしても。


「さあ、主張を」



だから彼女は、僕らになるのです。