らいばるとかみしばい。
















ライバルの言うことにゃ
お前はお前でいてくれ

あんたはあんたで変わるんだ


僕は何も、言わないよ?

ボクは何も 言わないよ










はっきり言ってしまうと




「悲劇」




虚路が、怖い。




「何だ・・?」

俺には
虚路の目に、何かが映っていると思った事は一度もない。
何も無くて、そこは真っ暗で俺でさえも落ちていきそうだった。

「・・何でも。ない。」

分かっている。
虚路が何を言いたいのか。
虚路がどうして欲しいのか。


ただ一つ
虚路が信じてられたもの。



「お前は俺のライバルだ。」


格好を付けてなんか生きられない。
ぐちゃぐちゃにされて
閉じ込められたままで
這い上がってのたうち回って、ようやく出られて。


「無償アイ。」


格好を付けてなんか生きてられない。
無様に、残虐に
生きていくしかない。


そうだろ。
虚路。


「・・悲劇?」

「俺はお前が嫌いだ。何よりも虫酸が走る。」

「ま、待ってよ悲劇!どういう・・」

「八方美人の八方塞がり!きゃははは!偽善者サヨナラ。狂喜にばんざーい!」

「ルー!お前は出てくるな!」

「いいじゃん。楽しい事は参加したくなるのさ!それが性分」

「悲劇・・僕が何をしたのかわかんないけど悲劇を怒らせるつもりじゃ・・」

「怒る?そんなもんじゃねえ。俺は苛立ってるんだ・・てめえがいるから変われない。
てめえがいるから出られない!」


どうして
躯を縛る鎖を断ち切る事が出来ない。

何もかもを変えても
何もかもを置き去りにしても


どうして
どうして
どうして
どうして



「散れ」




赤い花
赤い

赤い・・


決して伝える事が出来ない
届く事なんて無い



「辞めて!!!!悲劇!!!!!」




「むかぁしむかーしあるところに。
可愛いらしいお姫様がおりました。」

お姫様は
誰にでも無償の愛を振りまく優しい娘でした。

「思想家、政治家、みんながお姫様を好きになりました。」


そして、
ずっと暗い闇で生きていた口述師もお姫様を好きになりました。

その時、口述師は闇から這い出て
ヒカリを視たのです。



ですかお姫様は、無償の愛を誰にでも分け隔て無く振りまくのです。
それがただの偽善で
「八方美人」で「ロザリー」だ、と口述師は気付いてしまったのです。



口述師は酷く悲しんで、
お姫様を殺してしまおうかと考えました。

しかしお姫様には強い騎士が付いていたのです。


真っ赤な髪をした強い騎士は
口述師をあっけなく倒してしまうと
小さく小さく、笑ったのでした。



「変われ!変わってしまえ!」



お前が誰を愛そうが愛されまいが関係など無いと言い張れ!
主張しろ!


声を張り上げ
喉を涸らし!


目を腫らして
腕を振り上げ!



主張しろ!
叫べ!




変われ!!!









「虚路!!!!!」

































らいばるのいうことにゃ。







「おやめなさい」




お姫様は、口述師を救いました。
赤い髪の騎士に、口述師は殺される所だったのです。










お前はお前でいてくれ





「どう                                  して」










ああ。
なんと愚かな






「いつからだろうな。・・止まったままだ。」





赤い髪の騎士は口述師の口車に乗せられ
まっかな





けいたいでんわに。




「お前は俺のライバルだ。一生な」



口述師は悲しみのあまり
また闇の中へ。





願わくば。



「悲劇・・」

「きゃははははっ・・!!!ばっっっかみたい!」



それは狂喜かもしれない。
それは、ただの雨かもしれない。





「あの日の呪いと擬認さへ・・。」





連れ立ちたもうぞと。






fin