だから私は、彼らの世界へ飛ぶのです。








ダイヴが不必要な世界へ行きたいとまたダイヴする。
僕らは常に落ちて落として
どこまでもどこまでも黒や白に埋もれたいと。

だから彼女は自分の手で、ダイヴをしようと抉り出す。

ダメダメそんな安いものじゃ、いつまでたってもどこにもいけない。


「飛ばなきゃ」


だから代わりに飛んであげよう。
どこへでもどこへでも落ちて行こうか。
白や黒、或いは赤を見たいと彼女が言うのなら。
鮮烈に脳に焼き付けたいというのなら。

その為には一人じゃダメなんだって事も、教えてあげなきゃならない。


「ルーは痛い、虚露は論外。アイは甘過ぎ、悲劇は受け受けしい・・」

「痛くていーじゃん!きゃはははっ!」

「・・出来るわけない・・ていうか外にでたくない」

「甘い・・?」

「ちょっと待って!受けとはなんだ!こらッ!」

「えーていうか私達は〜?」

「・・・聞きたい?」

「いや、やっぱ止めとくー」

「うちも・・。もぐもぐ・・」

「ビヴィ、こんな歌知らないの?
あっかーにまみれっるー♪かーのじょはーいんr「黙れこの第二の変態野郎がッ!!!」

「何の歌なのよ・・」

「あっかーにまみれっるー♪・・もたまにはいいけど普段だったらもっとこうk「黙れこの変態野郎初号機がッ!!!!」

「煩いですわーーっ!ケダモノ共ーッ!」

「・・ルーズが一番煩いよ・・」

「よくお聞きなさい!私達はP○AあるいはN○K推薦HPとして活動しているのですわっ!」

「マジで?」

「えーっ初茸ーっ!」

「なんすか初茸って・・」

「で・す・か・ら!放送禁止なんて一切いけませんわ!オブラートに包む!わかりましたわねっ!?」

「いやーていうか今ので結構オブラートに包まなきゃいけない話だってばれたんでない?」

「別にいいわよ。これってそういう話ですから。」

「えええ・・アルスさんあなた・・」

「という事でせら・・」

「なんだよ!ルーズなんか服着込みすぎて嵩張ってて脱がしにくいんだよ!」

「なんで脱がせようとするんですのっ!?そこが既に今言った事と正反対ですわっ!」

「いや・・面倒臭いし・・」

「ルーズはあれだな・・もぐもぐ・・お前だけ脱げばいいんだよ・・ってタイプなんだな!」

「お黙りショックーーーっ!!!!」 バキッ

「いってえええ!冠で殴るなよマジで!クラウンいてえよ!」

「いいじゃんか別に・・」

「なんだよー狂喜的じゃないなぁ。そういうのはこっちの役なんだよっ?」

「なんですの狂喜的って!大体勝手に創作言葉が多いんですわ!悲劇とか!」

「はっ!?俺!?名前くらい創作したっていいじゃねーか!ていうか元々ある言葉だろ!」

「ああもうじゃあ勝手にやってよ・・」

「ショックとかルーとかモゥとかっ!」

「とんだとばっちりだな・・もぐもぐ」

「ちょっとー!何それひっどおい!」

「きゃははははっ!狂喜な展開になってきたっ!」

「何でお前喜ぶんだよ・・あれか?Mか?」

「わかった・・じゃあ勝手にうg「って何やってんだお前らーっ!」

「だって飛ばなきゃー・・」

「だからそういう事は場をわきまえておやりなさいと言ってるんですわ!せめてわーるどあうとしてからっ!」

「わーるどあうとって何?」

「多分・・フェードアウトのことだと・・」

「ああ!もう煩いわね!こういう言葉知らないの?
やらぬなら、その気になろうぜホットプレート。」

「いや、何か違うわ。ていうか観点がずれてる」

「飛びたいなら、飛ばしてやろうぜ可愛いあの子。」

「きゃー!アルス格好良い!マジ王子様!」

「・・とにかく行ってみたいんだよ。・・俺が俺でなきゃいけない理由なんて無いんだから。」


落ちて、落ちて。さあ今だ。
個体差が無くなる度に空を仰ぐ。
そうしなきゃ繋いでられない関係なんか
断ち切ってしまえ。斬り刻んでしまえ。

飛べ、飛んで。さあ今だ。
個体差が無くなった時はもう、別世界だと笑えばいい。
ここは誰しもが辿り着けない。
安息の地だと偽っても。

「飛ばせてよ」




だから彼女は、僕らの世界に飛ぶのです。