今日もまた、空を飛びたいと願っていた。


「空なんて・・・幾らでも跳べる・・」

「あなたが言うのは架空の空でしょ!私が言ってるのはぁ、本物の空!」

「鳥になりたいって・・事?」

「そう。鳥。出来るなら、可愛い鳥がいいわね〜綺麗な色で〜つぶらな瞳で〜」

「鳥になって何になる・・。仕事が出来なくなる。」

「あら!鳥になったら仕事なんてしなくていいのよ!子育てとかがお仕事〜みたいな!」

「・・馬鹿らしい。」

「ちょっとぉ・・馬鹿ってなによ馬鹿って!」

「うわ。やだ。鳥とか、絶対面倒臭い。」

「あたしもはんたーい・・鳥ってケーキとか食べれないじゃん?」

「もう!みんな夢が無いわ!」

「イイ鳴き声って・・事・・?」

「おい辞めろ・・気持ち悪くなってきた・・」

「鳥になってもいい・・でも巣に引きこもる・・。」

「うおーい・・。でてこーい・・。」

「出来るなら・・そうねえ〜やっぱ青い鳥がいいわ!」

「きいてねえし。・・それよりチョコレートケーキっ!」

「青い鳥か・・捕まえて市役所に持っていったら賞金がつきそうだ。」

「青い鳥になって〜おとぎの国を駆け回るのーっ!」

「・・とぎ・・?」

「・・ビヴィ・・・違うから・・。」

「俺と駆け回るー・・?めんっどいけど・・」

「せらーーーっ!」

「ぼ、暴力はいけません!」

「してないって!」

「そんな事言っても意味ないでしょ・・だってここはトリカゴの中・・。」


「何色の鳥になりたいか、主張でもしてみる?」


その空は、架空かもしれない。



「黒。断じて黒で烏。」

「悲劇は関取。」

「コロス。」

「嘘。ごめん。」





FIN

鳥。